悪徳業者がよく使う曖昧な契約条項の具体例

不動産取引におけるトラブルの多くは、契約書に書かれている「曖昧な条項」が原因で発生します。契約書を読むと一見問題がないように見えても、よく読むと解釈次第で不動産会社に有利になる表現が含まれていることは珍しくありません。特に悪徳業者の場合、意図的に分かりにくい言葉を使い、後から責任を回避できるような契約を結ばせようとします。

この記事では、悪徳業者がよく使う曖昧な契約条項の具体例を挙げながら、その危険性と見抜き方を解説します。事前に知っておくことで、防げるトラブルは確実に増えます。

1 「協議のうえ決定する」という表現

契約書で頻繁に見かけるのが「詳細は双方協議のうえ決定する」という文言です。一見柔軟に感じられますが、具体的な基準や期限が書かれていない場合、実質的に業者側の判断で物事が進められる危険があります。

2 「やむを得ない事情がある場合」

「やむを得ない事情」という表現も非常に曖昧です。どのような事情が該当するのか明記されていない場合、業者にとって都合の良い理由が後付けされる可能性があります。

3 「現況有姿で引き渡す」

中古物件の契約で多い条項ですが、現況有姿という言葉には注意が必要です。これは引き渡し後の不具合について責任を負わないという意味を含む場合があります。どこまでが対象外なのか、具体的に確認しなければなりません。

4 「軽微な不具合を除く」

「軽微」という言葉には明確な定義がありません。雨漏りや設備故障が軽微と判断されるケースもあり、後から大きなトラブルになることがあります。

5 「当社基準による」

悪徳業者が好んで使うのが「当社基準」という表現です。基準の内容が契約書や別紙に明記されていない場合、事実上どのようにも解釈できる危険な条項と言えます。

6 「必要に応じて費用が発生する」

必要性の判断を誰が行うのかが書かれていない場合、業者が一方的に費用を追加請求できる余地が生まれます。金額の上限がない場合は特に注意が必要です。

7 「通常使用による損耗を除く」

賃貸契約でよく見られる条項ですが、「通常使用」の範囲が曖昧な場合、退去時に高額な原状回復費用を請求される原因になります。

8 「一切の異議を申し立てない」

この条項は非常に危険です。契約後に問題が発覚しても、文言通りに解釈されるとクレーム自体を封じられる可能性があります。

9 「口頭説明を優先しない」

「本契約書に記載のない事項については一切認めない」という条項がある場合、事前の説明内容が無効になる恐れがあります。説明と契約内容が一致しているか、必ず確認しましょう。

10 曖昧な条項が多い契約書の特徴

悪徳業者の契約書には、抽象的な表現や業者側の裁量が大きい条文が多く含まれます。読みづらい構成や専門用語の多用も、注意すべきサインです。

まとめ

曖昧な契約条項は、トラブルが起きたときに必ず業者側に有利に働きます。「よく分からないけれど、業界では普通」と言われた場合こそ、立ち止まって考える必要があります。

契約書の内容に少しでも不安を感じたら、その場で説明を求め、必要であれば修正や追記を依頼しましょう。曖昧なまま契約しないことが、最悪な不動産屋から身を守る最も確実な方法です。

著者
契約リスクアナリスト
リーガル匠

元・法務スタッフ。不動産契約書のチェックやトラブル対応を通じて、法律と実務のギャップを痛感。現在はフリーの契約リスクアナリストとして、難解な法制度を「現場でどう使うか」という視点で分かりやすく解説。不動産詐欺・業者トラブルの法的対策にも詳しい。

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