5年前、妻と結婚し、新居を探していたのですが、現在住んでいる賃貸マンションを斡旋した不動産屋の話です。
専らネットで目ぼしい物件を探していき、気に入った物件は不動産屋に連絡を入れ、実際に内見させてもらいました。
しかし、なかなか思うような物件に出会えず、その日も二件の不動産屋をはしごして、空振りに終わっていました。
ぼんやりと惰性で、ネット検索していると、キラリと光る物件を発見しました。
ビビっときて、すぐに不動産屋に連絡して、内見できるか確認しました。
電話に出たオジサンは、
「○時以降は用事があるから、それまでなら良いですけどぉ、今日じゃないとダメですかねぇ?」
と、とても面倒臭そうに言いました。
それまでは比較的大きな不動産屋を回っていましたが、その不動産屋はいかにも個人経営といった感じで、微妙でしたが、グッと堪えて、
「すぐお伺いしますので、是非とも今日見せて下さい」
と、お願いしました。
すぐに不動産屋に出向くと、脂ギッシュなオジサンが1人いました。
私たちが若いせいか、相変わらず面倒臭そうに対応しましたが、良い物件なら、即契約をしたい旨を伝えると、ガラリと態度が代わりました。
あまりの豹変ぶりに驚きましたが、とりあえず物件を見せてもらったのですが、予想通りの物件で、私も妻もすぐに気に入りました。
オジサンと不動産屋に戻り、条件を聴いていたのですが、入居日の話になると、またしてもオジサンの態度がおかしくなりました。
引っ越しの準備や買い物などの関係で、一月半後入居予定だと伝えると、オッサンは、
「そんなに長期間もキープするのは難しいので、それなりの気持ちを形で示してもらってぇ…。」
と、煮えきれない態度で、よく分からないことをモジモジと言いました。
私はピンときて、
「手付けを払えば良いんでしょ?
いくらですか?何ヵ月分ですか?」
と尋ねました。
しかし、オッサンは相変わらずモジモジと
「そういうことは言ってないけど…」
とハッキリ言いません。
段々イライラしてきたので、
「手付けを払いますから、一月半後に入居日でお願いします。
ただし一筆下さい」
と言いました。
するとオッサンは満面の笑みで、
「お客さんがそこまで言うなら、特別に…」
と恩着せがましく言い、手付金を受け取りました。
後で教えてもらってのですが、最近は手付金を求めてはいけないという風潮になっているしく、オッサンもハッキリ言わなかったのです。
しかし、若い私たちを信用していなかったようで、後から考えると腹が立ちますが。
契約の時も、大屋さんにはヘコヘコとしたくせに、契約者の私たちにはふんぞり返って書類の作成をしていました。
幸い、大屋さんがスゴくいい人で、不動産屋のオッサンとは、契約以降、絡むことがないのでホッとしています。
早く倒産しないかなと未だに腹立たしく感じています。